奇抜なデザインの家ではなく、おうちらしい家が希望とのご依頼でした。
デザインだけが先行することなく、建て主の生活、趣向が形になっていく家造りです。
敷地西側の通りを1本隔てた向こうに並ぶ桜並木を、一年中眺める暮らしがきっかけとなって計画されています。 その並木を窓辺に感じながら家族が集まるリビングでは、こだわりの機材で聴く音楽や110インチのプロジェクタースクリーンで映画やスポーツ観戦を楽しみ、そのにぎわいをダイニングや浴室でも楽しむことができるようにスピーカー設置や配線を行っています。
リビングを仕切る扉は間仕切りとして部屋の大きさを調整することができ、他の部屋との音を区別するために利用したり、来客人数やパーティーの趣向に合わせてご使用いただいています。
冬期は蓄熱暖房の利用をご希望とのことで、建物全体の気密断熱性能を上げ効率の良い温熱環境を考える必要があました。 断熱材としてよく利用されるグラスウール等に比べ、経年劣化が少なく気密性能の高い現場発泡断熱を使用し、開口部の計画を配慮しました。
また建物壁内などに雨水等が侵入すると、断熱性能はもとより構造体や様々な性能の劣化に繋がるため、水掛試験を行い、くまなく水の侵入がないよう確認したり、屋根外壁の通気工法では、通気経路が途中で途切れることがないよう徹底しています。
そのような建物性能を確保した上で、窓を開ける季節には東西に気持ち良く風が流れ、ダイニングはテラスまで延長して四季の桜を五感いっぱいに楽しむことができます。
さらにキッチンの多人数利用や、家事効率を上げる行き止まりのない配置計画で、家事も含めて家族みんなで暮らしを楽しむ形ができあがりました。
設計監理 一級建築士事務所結人建築設計事務所/吉野
施 工 株式会社中野工務店/井上、水野