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  本棚 / bookshelves     

   
自ら購入する本は一生ものという意識が、どこか心の片隅にありました。
本棚もそろそろいっぱい。世の中のデジタル化も相まって、購入する本は”本当に一生保存版として必要か?”と何度も確認し、何度も本としての購入を諦め、デジタルで読み保存する方向へ量としても圧倒的に大きくシフトしていました。

電車の中で紙媒体の本や新聞を読む姿を見かけることも少なくなり、街中の小さな書店がなくなっていき、本が好きでも紙のものにしがみついているわけにもいかない、といつの間にか自分に言い聞かせるようになっていました。

そんな私に『本棚にもルールがある』成毛眞・著(ダイヤモンド社)という本が新たに考えの幅を広げてくれました。

食料を保存する冷蔵庫を引き合いに、本棚にも鮮度が必要という考えが、私には特に新鮮でした。そして”本を買うという行為は一期一会””後回しにすると二度と出会えないと思った方がいい””迷ったら買う”という言葉は、正にそう言い切って欲しかった!という言葉でもありました。

何よりも本をどんどん購入しながら、限られたスペースの本棚を維持する手法が、私のこれまでの迷いを払拭し、デジタルと紙の本との棲み分けを自分の中で整理できたことがとても大きかったと思います。

さらに、世の中の”本好き”という方は自分とは別の遠い存在だと思っていたはずが、とても近しい存在であることに気がつきました。私ごときでも本好きを公言しても良いような気持ちになり、晴れ晴れとした気分になりました。

そう思ってこれまでの自分の建築設計を振り返ってみると、特に戸建て住宅で本棚を意識しなかった建物はないことに気がつきました。建て主の意向に合わせながら、今後も本との暮らしを楽しむ本棚を考えつつ提案して行きたいと思います。大なり小なり様々な本好きの方々の暮らしに役立つことができたら嬉しいです。

2017.(吉野 百合江)


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