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  ヌメ革     
   
仕事用の日常バッグに革製のものを使うようになってから約10年程。メンテナンスをしながら古くなることを楽しめるところが気に入り、身の回りの常用品を少しずつ皮革製品で揃えています。

それでも、いわゆるヌメ革と言われる染色していない革は、皮革製品愛用上級者のものという意識が先立ち一点も持っていませんでした。そこへ今回ご縁あってヌメ革のペンケースが仲間入りしました。

これまで使用していたペンケースは知らず知らずのうちにかれこれもう20年も使用しているものでした。決して気に入っていたからという訳ではなく、あまり関心がなかったという理由が正解です。この長らくお付き合いした丈夫なペンケースがここ最近、マチにあたる端部の布がボロボロになり、ちょっとやそっとの修繕ではすぐ同じようにペンが飛び出し、そっと束ねている程度の役割しかなくなっていました。

さらにペン類にもこだわりがなかった私ですが、紛失したり壊れたりデザインに飽きるということもなく気がつけば10年ひとっ飛びで使っている文房具達が増え、頂き物の素敵なペンもあるので、その入れ物となるペンケースもそろそろお気に入りの革製品へ・・・、と思っていたところにこちらのペンケースとご縁がありました。

ヌメ革は経年変化としての色・ツヤの変化があり、「育てる」と表現し愛用している方もいらっしゃいます。うんちくではありますが、建築も建てたばかりは新品のヌメ革製品のようなものだと思います。使う人や置かれた環境によって育ち方は変わり、様々な風合いを見せながら人やその土地に馴染んでいきます。新築やリフォームをお考えの方、古くなることを楽しみに過ごす建築とのお付き合いもどうぞご一考下さい。

2017.(吉野 百合江)



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