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  パン     

   
基本的に「作る」ということが好きな私ですが、どちらかというと完成に向かってまっしぐらな作業を好む傾向にある私は、取りかかりから完成まで時間のかかるパンづくりは、関わることがないものだと決め込んでいました。

ところが、赤ちゃんと一緒に参加できるパン教室に行くきっかけがあり、それ以来、日常的な食事のパンは自分で作るようになってしまいました。もはやパンを作ったから食べるのではなく、パンを食べるために「あ、作らなきゃ」という若干追い込まれ気味なくらいの所にいます。

私がパンを習慣的に自分で作るようになった一番の理由は、パン生地の触り心地に癒されるからだと思っています。パン作りに関わるまでは、パン生地を叩き捏ねることでストレス解消になるのかな、などと考えていました。実際には、パン生地を捏ねたり自由に成形する感触で、気持ちが満たされているようです。

目で見ていること、考えていることより、手の感触から直接心に響く大きさに改めて気づきます。
建築では見た目の格好良さや使い勝手の良さによく注目されますが、手や身体が触れること、感触や感覚を大切にする必要があると考えています。特に住宅の設計では住む人の感覚に合わせて細部まで計画することができるので、とても楽しみにしています。

2012.(吉野 百合江)


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